鳥山 雄司さんインタビュー
――演奏を終えた感想をお聞かせください。
「達成感ですね。ライブなので生ものということで、今日はこれでありだったかな、と。お客様に楽しんでいただけてよかったです。野外のステージは風が気持ちいいですね。これは不思議なんですが、野外でやっていて気持ちがいいなっていう曲があるんですよ。今日の曲だと『Breezin』『Travels』なんかはもう圧倒的に野外向きですね。」
――「ギター・オデッセイ」というテーマはどこから発想されたのですか。
「今回は『DOCOMO BODY AND SOUL』の番組に添ったコンサートにしようという主旨でした。いわゆるジャズミュージシャンと呼ばれる人たちであればジャズをストレートに演奏してかっこいいんだと思うんです。ただ、僕はそうではないので、大道芸じゃないけど、ハードルを高くしてそこをみんなで飛び越えようよ、というほうが見ている人も楽しいんじゃないかっていう、エンターテイメントの世界でしょうか。そういうものがないとライブとしてつまんないんじゃないか、って。」
――ギター上達の極意を教えてください。
「これはもう練習するしかないんですけど、練習方法が間違っていればいくらやっても上手くはならない。やり方はいろいろありますがごまかさないこと。たとえば今日、30年ぶりにリベンジした『Captain Fingers』という曲ですが、昔、トライして出来なかったのは、なんとなくこんな感じだなっていいながらお茶を濁して、一音一音を確認してやらなかった。耳でちゃんとコピー出来なかったというのもあるけど、テクニック的にも確実じゃなかったんです。なんとなくごまかしていては結局上達しない。たとえばテンポが120の曲だとしても、最初は60、70くらいから初めて、ゆっくり確実に。その練習を地道に飽きないでやることです。」
――最近、感動したことは。
「ライブでもお話しましたが、『レス・ポールの伝説』という映画は感動しました。直球でやられます。おすすめですね。それと感動したといえば、今回、選曲した元の曲をあらためて聴き直したんですが感動するんですよ。自分で一度トライしているというのもあると思うんだけど、思い入れもあって、別にその時のことを思い出すわけじゃなくて、やっぱりこの時代は凄いとか、一番思うのはこの人たちってこの時にまだ30だよねとか、でもこんなに上手いんだよね、って。」
――今、一番ハマっていることは。
「今朝まではギターの練習にハマっていました(笑)。久々に1日7〜8時間は弾いていました。課題曲がたくさんあるのでそうせざるを得ない。今回の曲は全部キャラクターが違うのでひとつ練習すれば全部にあてはまるというものではないので。」
――音楽を愛するすべての方にメッセージを。
「自分が本当に好きな曲ってなんだろうと真剣に考えてみてください。たとえばビートルズが好きならビートルズの中でもこの曲というものを。そうすると、演奏する人ならその曲がどんなに素晴らしいものかみんなに伝えたいという気持ちで演奏するから、ひとりよがりの演奏じゃなくなる。音楽は聴くだけという人も、本当に好きな曲とものがあれば、好きなものって人に勧めたくなるから、そうするとそこでまた共感を得られて、輪が広がることもある。漠然といろんな音楽を聴いて楽しむというのもありますが、マイフェイバリットソング、一生大事にしたい曲っていうのを持つのも素敵なことです。」
――鳥山さんのフェイバレットソングは?
「卑近な例でいうと今日のライブで最後に演奏した『Travels』。ずっと昔から大切な曲です。パット・メセニーの曲なんですが、彼は昔から年間300本近くツアーをやっていて、アメリカのツアーだけでも3ヶ月家に帰って来ってこれないことはざらなんです。そんな中から生まれた曲が『Travels』なんですね。この曲を聴くと地平線が見えるようなところをトレーラーハウスで移動している様が浮かんでくるんですね。今回『ギター・オデッセイ』で時空の旅ということで、最後にこの曲を持ってきました。今まであまり好き過ぎてやってなかったんです。」
ステージを終えて
今日のドコモコンサートは鳥山雄司さんを迎えてのスペシャルライブ。心地よいジャズの旋律が秋の空に広がって屋外コンサートならではの開放感あふれるライブでした。50年のジャズの歴史を2時間たっぷり聴くことができる贅沢な時間でした。次回のドコモコンサートは11月22日(土曜)、六本木ヒルズけやき坂コンプレックスからお送りいたします。どうぞお楽しみに。
今回ご出演いただいた鳥山雄司さんからのお知らせ
・J-WAVE『DOCOMO BODY AND SOUL』毎週日曜23時〜ON AIR