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  03  CGで、あの名作邸宅の中を回遊する疑似体験
 INDEX
ル・コルビュジエって、どんな人!?
建築家から子供まで楽しめる。見るだけじゃない!体験型展覧会。
  01 マルチなクリエイター
  画家でもあったル・コルビュジエ
  02 六本木に あのル・コルビュジエ建築がすっぽり!?
  パリのアトリエや“ユニテ・ダビタシオン”などを実寸大模型で体験
-   03 CGで、あの名作邸宅の中を回遊する疑似体験
  名作椅子に座りバーチャル体験できる、あの建築が世界遺産に!?
  04 人と都市への想い 公共建築と都市計画
  時代と理想の狭間に…
  実現しなかった壮大なプロジェクト
  05 “あそび”も“まなび”も楽しめる!
パブリックプログラム
  こどもツアーに一流建築家レクチャー
  あらたな発見満載のプログラム
  06 期間限定!食べて飲んでル・コルビュジエ・コラボ
  六本木ヒルズのあのカフェやレストランで…。座る、味わう、読む。
  07 あなたの家にもル・コルビュジエが…オリジナルグッズ
  人気の展覧会限定ミュージアムグッズ
 ミニコラム イベントリポート
シンポジウムレポート
「ル・コルビュジエと現代—21世紀における意味と世界遺産登録へ向けて」
5月26日(土)アカデミーヒルズにて
第一部
「世界遺産登録へ向けての国際的動向」
出演
:ジャン・ピエール・デュポール(ル・コルビュジエ財団理事長)、青柳正規(国立西洋美術館館長)、キラン・ジョシ(インド・チャンディガール建築大学教授)、山名善之(東京理科大学准教授、建築家)

世界各地に点在するル・コルビュジエ作品をユネスコの世界遺産に登録しようという現在世界6カ国規模で動いている活動について、趣旨や現在の動向を探るシンポジウムが開かれました。

各国のとりくみ
世界遺産には、建築物としてはグロピウスのバウハウス(ドイツ・デッサウ)やニーマイヤーの国会議事堂(ブラジル・ブラジリア)などが既に登録されており、このように、20世紀の建築も認定しようというのが最近の動きです。
今回の活動の中心メンバーとなるル・コルビュジエ財団理事長によると、このプロジェクトのもっとも意義ある点は、この登録を多国籍で申請すること、6ヶ国・3つの大陸に渡るその国際性と、そしてそのすべての諸国が参加することで合意していることだそうです。
ジャン・ピエール・デュポール理事長は、2002年に登録に向けて動こうと決められ、2004年より様々な国に情報をまとめてもらうようお願いしているという、今までの経緯を教えてくださいました。財団は船の船頭役として、このプロジェクトを今年度中にとりまとめる予定とのこと。
ル・コルビュジエが手がけた都市計画のうち唯一実現した都市、インドのチャンディガール。文化遺産の保護を専門とするチャンディガール建築大学のキラン・ジョシュ教授が、この登録推薦の調査書類集約を担当しています。ジョシュ教授には世界遺産登録へのプロセスを、実際にユネスコに提出する予定のプレゼンテーション資料(世界初公開!)をもとにご説明いただきました。

あなたの推薦が世界遺産登録を後押し!?
日本で唯一のル・コルビュジエ建築 国立西洋美術館。今回、この館が世界遺産に登録推薦されないのは、世界遺産は文化財として保護されていることが登録条件のひとつであり、日本では築50年以上でないと文化財として認定されず、残念なことに1959年竣工の国立西洋美術館には未だ資格が無いためです。
この1959年、国家予算は現在の1/100と日本はとても貧しく、日本政府は1,000万の設計料でとても無理をしてル・コルビュジエに依頼しています。それはヨーロッパ文化の定点観測地点を作るという意味合いと、日本に画期的な影響を与えて欲しいという願いから。この日本にとって重要な美術館が世界遺産に登録されるのは非常に重要なこと、ぜひ将来の国立西洋美術館の世界遺産登録に向け、まずは2009年の文化財指定を目指し、また、このことをみんなで話題にし続けようという青柳館長のお話に、会場も沸きました。

 シンポジウム第二部
 「現代におけるル・コルビュジエの存在」
  レポートはこちら
  03  CGで、あの名作邸宅の中を回遊する疑似体験
ル・コルビュジエ
《サヴォワ(ポワシー、フランス)邸》
1931年
(c)FLC
パリ市の隣の小さな町に建つ、あまりにも有名な住宅、<サヴォワ邸>。保険会社の重役ピエール・サヴォワ氏の週末用住宅として1931年に竣工。夫妻にも愛され、40年まで住んだそうですが、ナチス・ドイツにより占領され、戦後は取り壊しの危機もありましたが、今はパリ市によって修復され管理されています。
このサヴォワ邸は、「ピロティ」「屋上庭園」「自由な平面(フリー・プラン)」「水平に連続する窓」「自由な立面(フリー・ファサード)」という、彼の唱えた新しい建築のための5つの要点を取り入れた建築と言われています。
彫刻家でもあったル・コルビュジエらしいフォルムとたっぷりの光を取り入れる設計。その様子を、まるでこの邸宅の中を歩いて進んでいるかのような感覚で体験できるハイクオリティなCG映像が、この展覧会のために作られました。
展示室ではこのCGをゆったり鑑賞できるように、1931年にフランス国鉄のためにデザインされたLC13や1928年に開発されたLC2、LC3など、名作といわれたソファが並ぶスペースで映像を上映しています。ぜひル・コルビュジエ建築をリビングで寛ぐ気分でバーチャル体感してください。

ル・コルビュジエは、生涯の内に二つの宗教建築を建設しましたが、死後41年経って三つ目の作品が完成しました。彼が晩年まで手がけていた、コンクリートの巨大なピラミッド型の屋根が特徴的なサン・ピエール教会です。昨年フランス フィルミニ・ヴェールで完成しました。そして生誕120年を迎えた今年、世界各地にあるル・コルビュジエの作品の数々をユネスコの世界遺産に登録しようという動きが、フランスを中心に起こっています。
フランスをはじめとする西欧4カ国、インド、アルゼンチンが共同で登録推薦書をユネスコに提出する予定で、ル・コルビュジエ財団やインドのチャンディガール市など各機関が協力し、調査や調整が進められています。そのためこの展覧会への注目度も高く、会場では、今までに3度しか貸し出されたことのないロンシャン礼拝堂の石膏の模型など、世界各国の協力で貴重な作品が集まっています。
世界遺産登録を前に、一堂に展示されたコルビュジエの偉大な足跡を鑑賞してみましょう。作品の素晴らしさだけでなく、彼のひととなりが見えてくるかもしれませんね。
上/ル・コルビュジエ 《サン・ピエール教会(フィルミニ、フランス)》
1960~2006年 (c)FLC
下/ル・コルビュジエ 《ロンシャンの礼拝堂(ロンシャン、フランス)》
1950年 (c)FLC

ル・コルビュジエ
《国立西洋美術館(東京、日本)》
1955~1959年
(c)FLC
東京の《国立西洋美術館》は、日本で唯一のル・コルビュジエ作品です。ル・コルビュジエの事務所で働いていた前川國男、坂倉準三、吉阪隆生が深く関わったことでも知られています。《国立西洋美術館》のプランは、1929年の《ムンダネウム》に見られた螺旋状の動線が用いられ、将来所蔵品の増大とともに拡大することが出来る構造となっていました。「成長する美術館」という、パリ《現代美術センター》以来ル・コルビュジエが幾度も試している形の中で、最も完成度の高い美術館となりました。また、ル・コルビュジエは周囲に複数の建築が立ち並ぶ複合施設の性格を帯びた設計を考えていましたが、この全体案はついに実現しませんでした。
ル・コルビュジエは、この美術館の設計の際、敷地の視察のために一度だけ来日しました。その1955年来日時の貴重な写真も、本展覧会で展示されています。
日本とのもうひとつのつながりは、ル・コルビュジエが1956年にデザインした東急文化会館の緞帳。闘牛をモチーフにした、高さ9m50cm、幅22m80cmの国内最大級の緞帳で、今回下絵とともに、弟子であった板倉準三氏に指示した説明書を公開しています。
その後ル・コルビュジエはアメリカ合衆国で《カーペンター視覚芸術センター》を手がけるなど、後半生はフランスから外へと活動の場を広げ、ますます多くの可能性に取り組もうとしました。