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  04  人と都市への想い 公共建築と都市計画
 INDEX
ル・コルビュジエって、どんな人!?
建築家から子供まで楽しめる。見るだけじゃない!体験型展覧会。
  01 マルチなクリエイター
  画家でもあったル・コルビュジエ
  02 六本木に あのル・コルビュジエ建築がすっぽり!?
  パリのアトリエや“ユニテ・ダビタシオン”などを実寸大模型で体験
  03 CGで、あの名作邸宅の中を回遊する疑似体験
  名作椅子に座りバーチャル体験できる、あの建築が世界遺産に!?
-   04 人と都市への想い 公共建築と都市計画
  時代と理想の狭間に…
  実現しなかった壮大なプロジェクト
  05 “あそび”も“まなび”も楽しめる!
パブリックプログラム
  こどもツアーに一流建築家レクチャー
  あらたな発見満載のプログラム
  06 期間限定!食べて飲んでル・コルビュジエ・コラボ
  六本木ヒルズのあのカフェやレストランで…。座る、味わう、読む。
  07 あなたの家にもル・コルビュジエが…オリジナルグッズ
  人気の展覧会限定ミュージアムグッズ
 ミニコラム
CG映像で見る
ル・コルビュジエ作品


セクション3「共同体の夢」ではMIT(マサチューセッツ工科大学)の長倉氏がCG映像化した《ソヴィエト・パレス》を公開しています。本展用に編集された映像は、音楽も1930年代当時のアヴァンギャルドの終焉を感じさせる素晴らしいスコアで、時代を肌で感じられる名作です。

セクション2「住むための機械」のサヴォワ邸のCGは10分という長尺の映像。こちらもキャドセンターという日本屈指のCGクリエイターの作品。“建築的プロムナード”がサヴォワ邸でいかに良く表れているかが分かります。
数万枚の設計図を
タッチパネルの大画面で閲覧


ル・コルビュジエ財団に所蔵されている全ての建築作品の設計資料約35,000点を閲覧できる4枚組×4巻のDVDの抜粋を、タッチパネル式大画面で展示しています。再現性に優れた技術で図面やスケッチのディテールまで拡大できます。
(画像提供:Echelle-1
ドキュメンタリービデオで
“語るル・コルビュジエ”を観る


会場内8箇所で、ル・コルビュジエのドキュメンタリービデオを見ることができます。そのほとんどが、自分の作品について語っているル・コルビュジエの映像です。展示されている模型を横目に見ながら、彼の語るポイントを聴ける珍しい機会、ぜひ十分な時間をとって展覧会をご覧ください。
  04  人と都市への想い 公共建築と都市計画
この展覧会のセクション3「共同体の夢」には、実現しなかった公的な空間の設計プロジェクトが集められています。ル・コルビュジエは多くの公共建築物を提案しましたが、実現したものは非常に少なく、彼の斬新な考え方や表現方法がその実現を難しくしていると言えます。
ピエール・ジャンヌレと共に構想した《国際連盟本部の提案》(1927年)は、国際コンペで377点の応募の頂点に立ったにもかかわらず、審査後に不明瞭な理由から却下され、国際的なスキャンダルになりました。結局実施案は芸術アカデミー(l'Accadémie des Beaux-Arts)の建築家に託され、このことにより建築界の新旧勢力の対立という構図が明るみに出ました。また、国際連盟10周年を記念して計画された世界文化センター《ムンダネウム》も実現はしませんでしたが、その後のアーメダバードやチャンディガールの美術館、日本の《国立西洋美術館》の基本案にまでつながっていきます。
1932年にソビエト政府から依頼された《ソヴィエト・パレス》は、1万5千人収容の大劇場、6500人の多目的ホールと両翼に巨大なホールを持ち、さらに図書室、レストランなどの多機能を擁した複合施設で、この施設でル・コルビュジエは本格的な大型公共施設の研究を行ないました。大劇場の屋根は放物線アーチからワイヤーで吊られているのが特徴で、実現していたらさぞダイナミックな建物であったことでしょう。このソヴィエトパレスを、なんとオリジナルのCG映像にして公開しています。必見です。(詳しくは左のコラムをご覧ください。)
≪ソヴィエト・パレス≫
1999/2006年
約5分
映像制作:長倉威彦
監督:長倉威彦、馬場信介
コンピュータ・グラフィックス:馬場信介

ル・コルビュジエは、1950年にインドの首相ネルーから、パンジャブ州の州都をチャンディガールに建設することを依頼され、長いあいだ夢見ていた都市の建設が実現することになりました。
チャンディガールは光と影、空間を感じられるような建築とアートを融合させた設計です。また、車のスケールから道路をデザインするなど、インフラストラクチャーにまで細心の注意を払った都市計画になっています。それはル・コルビュジエが、人を中心とした理想都市を造ることを目的としていたからに他なりません。
彼が実際に携わったのは、州政府の中心機能を収容する《議事堂》、《合同庁舎》、《高等裁判所》を中心とする「キャピタル」です。《高等裁判所》の正面近くには、彼が長年温めてきた主題である巨大な“手”のモニュメントが立っています。これを彼はチャンディガールの象徴としてもっとも重要な場所に設置しました。
チャンディガールの議事堂の内部はカラフルでダイナミック!壁に大胆に色が塗られていたり、横幅30メートルもあり大きすぎて掃除が困難というタペストリーが飾られるなど、光と色の溢れる土地柄に合った設計になっています。なかなか許可が取れないため内部に入ったことのある人は多くはありませんが、本展ではチャンディガール建築大学教授のキラン・ジョシ女史の協力により、貴重な写真がスライドで豊富に投影されています。
その映像の前には本展のために制作した、チャンディガール中心部「キャピタル」の大型模型。ル・コルビュジエが重視した植栽に関しても、樹木の種類が大まかにわかるよう、模型の樹木を色分けして表現してあります。
ル・コルビュジエ
《開いた手(チャンディガール、インド)》
1950~1965年
(c)FLC

ル・コルビュジエ
《国立西洋美術館模型(東京、日本)》
1955~1959年
所蔵:ル・コルビュジエ財団
(c)FLC
今回展示されている建築模型の多くは、日本の大学などの教育機関で制作されたものです。これほど多くのクオリティが高く、なおかつ保存状態の良い建築模型を一堂に展示できるのには、訳があります。
1989年「ル・コルビュジエ展」と題する展覧会が日本の国立西洋美術館をはじめとする4館で計画されました。これは1987年ル・コルビュジエの生誕100年を記念してパリのポンピドゥーセンターで開かれた展覧会を日本でも開きたいと、建築家 黒川紀章さんをはじめとする日本建築学会ル・コルビュジエ展実行委員会が企画したものです。
ル・コルビュジエが制作したオリジナル模型は何点かしか現存しておらず、また移動するにも大変なコストがかかるため、その前年に開催された「ル・コルビュジエの建築模型展」には、日本でル・コルビュジエ研究で実績のある各大学や研究者などに依頼し、展示用の模型を制作したのです。展示した作品は22点にものぼりました。
日本のル・コルビュジエ・ファンの多さを窺わせる話です。会場ではこれらの模型にも注目して、20年前の生誕100年時に思いを馳せてみてください。