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全光榮(チョン・クァンョン)展
- 何千もの韓紙が作り出す作品の魅力
展覧会ができるまで…
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韓紙(はんじ)とは…
和紙に似た韓国独自の伝統紙で、コウゾを原料とし、柔軟性や耐久性にすぐれ、千年以上もつといわれています。韓国では古くから壁紙や障子に使用され、近年は工芸品などにも多く用いられるようになりました。
全氏の作品は、様々な大きさにカットされたポリスチレンフォームを韓紙で包み、韓紙をよじって作った紐で一つ一つを"ちまき"のように結び上げた何千個ものセルから作り上げられています。
会場スタッフより…
遠くで見るのと近づいてみるのとでは、作品の印象が異なるためか、会場内では同じ作品の前で近づいたり、離れたりを繰り返して鑑賞している方をよく見かけます。無数の韓紙にこめられた作家の信念や思いを、ぜひ会場で感じ取っていただければと思います。
何千もの韓紙が作り出す作品の魅力
今回の展覧会は、初期作品から初公開の最新作品まで約30点が展示され、全氏の創作の軌跡を一望することができます。さっそく見どころをナビゲートしましょう!
会場を入ってすぐに展示されているのは、油彩の作品です。現在、全氏は「韓紙」を使った立体的な作品で知られているのですが、その創作のスタートは絵画作品でした。全氏は家族の反対を押し切って単身アメリカにわたり、孤独と貧しさのなかで創作活動を続けていました。しかし、描いても描いても世間は認めてくれない…。 「ONT-75-28」(油彩、1975)は、現代美術の主流のひとつ、ミニマリズムに影響を受けた作風でありながらも、どことなく東洋風な色彩。同じセクションに展示されている他の初期作品群は、すでに三角形の造形が見られ、現在の全氏のルーツを垣間見ることができます。
続いて登場するのは、油彩とはまったく異なる立体的な作品。全氏が世界的に評価されるきっかけとなった「アグリケーション・シリーズ」です。アグリケーション(Aggregation)とは、英語で「集合」のこと。三角のピースが、キャンバスを埋め尽くしています。思わず感嘆の声がもれ、手が伸びてしまうような不思議な立体感。
「Aggregation08-SE024BLUE」(ミクスト・メディア、韓紙、2008)はまるで月面のような面に、大きな青の円。これはクレーターでしょうか? それとも岩石?
空から見た海岸? 作品の前に立つとさまざまなイマジネーションが広がります。ぜひご自身で作品をご覧になり、答えを探してみてください!
やや暗くなったホールをとおりぬけると、大きなオブジェが登場。「Aggregation06-MY020」(ミクスト・メディア、韓紙、2006)はまるで地面から生えたきのこのように、ギャラリーの天井いっぱいに聳えたちます。全氏は、この作品によって、現代の病んだ心や争い、カオスを表現したといいます。作品が放つエネルギーに圧倒されることうけあいです。
[スタッフより]
空間がとても開放的で、自分が小さい生物になったような気持ちになります。
全氏の作品の真髄は、その色彩にもあります。「Aggregation 07-D140」(ミクスト・メディア、韓紙、2007)で使用されている韓紙を見てみてください。多種多様な材料を用いて染め上げられた韓紙は、同じオレンジなのにすべてのピースで異なった色合いを持っています。目を凝らしてその豊かな色彩を楽しめば、さまざま情景が浮かんでくることでしょう。
[スタッフより]
手作業とは思えない幾何学模様の「調和」と暖かみのある色が奏でる安心感に、ほっとさせられます。