優雅で知的で、そしてどこか遊び心がある。都
市で過ごす冬のスタイルは、着る人自身だけで
なく、街の空気までも少しだけ豊かに見せてく
れる。本物を知るクリエイターへのインタビュ
ーを通し、大人の上質なファッションの魅力を
伝え続けている連載「Beauti-Full Things」第
55回。

優雅で知的で、そしてどこか遊び心がある。都市で過ごす冬のスタイルは、着る人
自身だけでなく、街の空気までも少しだけ豊かに見せてくれる。本物を知るクリエ
イターへのインタビューを通し、大人の上質なファッションの魅力を伝え続けてい
る連載「Beauti-Full Things」第55回。

今回は日本を代表するスタイリスト三田真一
さんに、5つのブランドで遊び心ある冬のアー
バンスタイルを提案してもらいました。色使
いやレイヤード、素材感の遊びを取り入れた
装いは、冬の街を歩く大人の男性を、より自
由でのびやかなムードに彩ってくれます。

今回は日本を代表するスタイリスト 三田真一さんに、5つのブランドで
遊び心ある冬のアーバンスタイルを提案してもらいました。色使いやレ
イヤード、素材感の遊びを取り入れた装いは、冬の街を歩く大人の男性
を、より自由でのびやかなムードに彩ってくれます。

Beauti-Full Things SHINICHI MITA

Beauti-Full Things SHINICHI MITA

レイヤードで楽しむ
都会派アルマーニ

「毛足の長いモヘアコートに合わせたのは、セパレートのリボンタイが付いたドット柄シャツ。首元にほどよい華やかさを添えてくれます。中綿入りのデニムブルゾンは、あえてインナーとしてレイヤードし、定番ジャケットに挟むことで立体的な“アウター感”を演出。ハイウエストでタックの入ったチェックパンツは脚をすっきり見せ、全体のバランスを整えます。歴史あるスーツの重厚さを持ちながら、遊び心も忘れないアルマーニ。他ブランドとも馴染みやすく、実際に袖を通すと印象が新しく更新されるはずです。」

  • Jacket ¥473,000
  • Blouson Jacket ¥173,800
  • Shirt ¥140,800
  • Pants ¥179,300
  • Shoes ¥113,300 [EMPORIO ARMANI]

EMPORIO ARMANI

  • Jacket ¥473,000
  • Blouson Jacket ¥173,800
  • Shirt ¥140,800
  • Pants ¥179,300
  • Shoes ¥113,300 [EMPORIO ARMANI]

レイヤードで楽しむ
都会派アルマーニ

「毛足の長いモヘアコートに合わせたのは、セパレートのリボンタイが付いたドット柄シャツ。首元にほどよい華やかさを添えてくれます。中綿入りのデニムブルゾンは、あえてインナーとしてレイヤードし、定番ジャケットに挟むことで立体的な“アウター感”を演出。ハイウエストでタックの入ったチェックパンツは脚をすっきり見せ、全体のバランスを整えます。歴史あるスーツの重厚さを持ちながら、遊び心も忘れないアルマーニ。他ブランドとも馴染みやすく、実際に袖を通すと印象が新しく更新されるはずです。」

素材のレイヤーで際立たせ
ダッフルコートをモダンに着る

MACKINTOSHが今季打ち出すダッフルコートは、懐かしさがありながら、むしろ新鮮に映る一着。グレーがかったベージュの色味が綺麗で、さらっと着るだけで、モダンで洗練された雰囲気を醸し出すアイテムです。アウターを主役にするため、インナーは白シャツとレザーブルゾンで軽やかに。素材の違いが奥行きを生み、ベージュがより鮮やかに映えます。トグルをきっちり留めるより、少しオーバーサイズを前開きでラフに羽織るのが今の気分。中に着込んでもバランスが取りやすく、クラシックを現代的に楽しめるスタイルです。」

  • DuffleCoat ¥231,000
  • Leather Blouson ¥217,800
  • Shirts ¥47,300
  • Pants ¥64,900 [MACKINTOSH]

MACKINTOSH

  • DuffleCoat ¥231,000
  • Leather Blouson ¥217,800
  • Shirts ¥47,300
  • Pants ¥64,900 [MACKINTOSH]

素材のレイヤーで際立たせ
ダッフルコートをモダンに着る

MACKINTOSHが今季打ち出すダッフルコートは、懐かしさがありながら、むしろ新鮮に映る一着。グレーがかったベージュの色味が綺麗で、さらっと着るだけで、モダンで洗練された雰囲気を醸し出すアイテムです。アウターを主役にするため、インナーは白シャツとレザーブルゾンで軽やかに。素材の違いが奥行きを生み、ベージュがより鮮やかに映えます。トグルをきっちり留めるより、少しオーバーサイズを前開きでラフに羽織るのが今の気分。中に着込んでもバランスが取りやすく、クラシックを現代的に楽しめるスタイルです。」

ニットを“ジャケット”に
クラシックをアップデート

「スーツの印象が強いBrioniですが、珍しさのある白のカーゴパンツを主役にしたのが今回のスタイリング。パンツを起点に落ち着いたトーンでまとめ、アウターのニットはジャケット感覚で着こなしています。編み地に立体感のあるニットも、襟を立ててスタンドカラーのジャケットのように見立てることで、堅くなりすぎず、ほどよくモダンなムードが生まれます。ボタン部分にあしらわれたレザーディテールで、Brioniらしい上品さを添える仕上がりに。足元のスエードブーツが、クラシックに寄りすぎない大人の冬スタイルを完成させます。」

  • Knit Blouson ¥998,000
  • Knit ¥217,800
  • Pants ¥204,600
  • Shoes ¥205,700
  • Sunglasses [参考商品] [Brioni]

Brioni

  • Knit Blouson ¥998,000
  • Knit ¥217,800
  • Pants ¥204,600
  • Shoes ¥205,700
  • Sunglasses [参考商品] [Brioni]

ニットを“ジャケット”に
クラシックをアップデート

「スーツの印象が強いBrioniですが、珍しさのある白のカーゴパンツを主役にしたのが今回のスタイリング。パンツを起点に落ち着いたトーンでまとめ、アウターのニットはジャケット感覚で着こなしています。編み地に立体感のあるニットも、襟を立ててスタンドカラーのジャケットのように見立てることで、堅くなりすぎず、ほどよくモダンなムードが生まれます。ボタン部分にあしらわれたレザーディテールで、Brioniらしい上品さを添える仕上がりに。足元のスエードブーツが、クラシックに寄りすぎない大人の冬スタイルを完成させます。」

グレーのコートを引き立てる
ブルーとグリーンのグラデーション

「薄いグレーのコートを引き立てるために選んだのは、エメラルドグリーンや青緑など、ブルーとグリーンの間の絶妙な色味。ネクタイの柄などで70年代のムードをほのかに感じさせつつ、今の空気に合う爽やかなスタイルに仕上げました。ネクタイやベルトにも同系のトーンを入れることで、全体に奥行きが生まれ、コートのグレーがよりきれいに浮かび上がります。こうした中間色は実は万能で、濃いグリーンや白・黒など幅広い色と相性抜群。バックベルトでシルエット調整ができるコートは、前を開けて軽く羽織ることで、現代的な冬のレイヤードを楽しめます。」

  • Cashmere Mix W-Face Coat ¥220,000
  • Down Fabric Twill Print Jacket ¥69,300
  • Color Broad Semi-Wide Shirt ¥30,800
  • Down Fabric Twill Print Pants ¥49,500
  • Socks ¥2,750
  • Shoes ¥42,900 [ESTNATION]
  • Tie ¥22,000 [FRANCO BASSI]
  • Belt ¥16,500 [D AMICO]

ESTNATION

  • Cashmere Mix W-Face Coat ¥220,000
  • Down Fabric Twill Print Jacket ¥69,300
  • Color Broad Semi-Wide Shirt ¥30,800
  • Down Fabric Twill Print Pants ¥49,500
  • Socks ¥2,750
  • Shoes ¥42,900 [ESTNATION]
  • Tie ¥22,000 [FRANCO BASSI]
  • Belt ¥16,500 [D AMICO]

グレーのコートを引き立てる
ブルーとグリーンのグラデーション

「薄いグレーのコートを引き立てるために選んだのは、エメラルドグリーンや青緑など、ブルーとグリーンの間の絶妙な色味。ネクタイの柄などで70年代のムードをほのかに感じさせつつ、今の空気に合う爽やかなスタイルに仕上げました。ネクタイやベルトにも同系のトーンを入れることで、全体に奥行きが生まれ、コートのグレーがよりきれいに浮かび上がります。こうした中間色は実は万能で、濃いグリーンや白・黒など幅広い色と相性抜群。バックベルトでシルエット調整ができるコートは、前を開けて軽く羽織ることで、現代的な冬のレイヤードを楽しめます。」

柄と柄を重ねて
レオパードで締める大人の遊び

「チェックのコートをメインに、全体的に柄を多めにしたスタイリングです。パンツにも柄を入れながら主張は少し抑え、足元にレオパード柄を差し込みアクセントに。単体では強く見えるアイテムも、近いトーンの柄同士を重ねると意外と馴染み、レオパードを添えてもまとまります。UNITED ARROWSは一つひとつのアイテムの品が良く、色や柄を重ねてもガチャつかず、大人らしい上品さを保ったまま“遊び”を楽しめるのが魅力です。」

  • Worsted Melton Balmacancoat ¥69,960
  • YAK HAIRY Crew Neck Knit ¥26,950
  • Moderncheck Nopleats Widestraight Pants ¥29,920
  • Solid Socks ¥1,760 [UNITED ARROWS]
  • Leopard Slip-on ¥39,600 [POLPETTA]
  • Scarf ¥39,600 [LELYS]
  • CRC Elastic Belt ¥25,300 [L'AIGLON]

UNITED ARROWS

  • Worsted Melton Balmacancoat ¥69,960
  • YAK HAIRY Crew Neck Knit ¥26,950
  • Moderncheck Nopleats Widestraight Pants ¥29,920
  • Solid Socks ¥1,760 [UNITED ARROWS]
  • Leopard Slip-on ¥39,600 [POLPETTA]
  • Scarf ¥39,600 [LELYS]
  • CRC Elastic Belt ¥25,300 [L'AIGLON]

柄と柄を重ねて
レオパードで締める大人の遊び

「チェックのコートをメインに、全体的に柄を多めにしたスタイリングです。パンツにも柄を入れながら主張は少し抑え、足元にレオパード柄を差し込みアクセントに。単体では強く見えるアイテムも、近いトーンの柄同士を重ねると意外と馴染み、レオパードを添えてもまとまります。UNITED ARROWSは一つひとつのアイテムの品が良く、色や柄を重ねてもガチャつかず、大人らしい上品さを保ったまま“遊び”を楽しめるのが魅力です。」

Interview

冬のアーバンスタイルは
“色で遊ぶ”ことから

ブランドごとに「冬のアーバンスタイル」を提案いただきましたが、スタイリングする上でどんなことを意識されましたか?
三田 真一(以下M全体的に“色で遊ぶ”ことを意識しました。差し色で遊ぶのか、柄で遊ぶのか。チェックなら、違うチェックを重ねてみるとか。どうしても冬はモノトーンに寄りがちなので、あえてそこを避けるやり方を試したかったんです。特にメンズは、暗くなりやすい。スーツも一着買うとなると、グリーンやボルドーのような印象的な色って、挑戦が難しいと思うんですけど、一度試着してみたり、着て写真を撮ってみたりすると、その良さがすごくわかる。そういう“色の面白さ”が伝わるといいなと思ってスタイリングしました。
大人の男性が都会的な冬スタイルを楽しむ上で、必要だと思うポイントはどこでしょう?
M : 最近は、ジャケットやスーツスタイルで過ごす人は以前より減ってきている印象がありますが、今の時代に合わせた“型”にアップデートされているものが多いんです。セットアップも、“スーツだから”と構えず、カジュアルに着たほうが、僕は楽しいと思います。シャツにニットを合わせてジャケットを羽織る、薄手のコートを一枚重ねる、といった着方であれば、今の空気にフィットしやすい。インナーをある程度きっちりさせて、その上からコートを羽織る。ボトムはスラックスベースにするとスタイリングはまとまりやすいですし、そこに色も入れてあげると、さらにいいバランスの冬スタイルになると思います。
冬ならではのスタイルで、どんな場所を訪れたいですか?
M : 冬でも、ちゃんといろいろ着て街を歩くのがいいなと思っています。着込めば着込むほど、どうしても外に出なくなりがちですが、職業柄リサーチで長い距離を歩くので、足元はスニーカーになることも多いですね。高円寺に行ってみたり、ふだん通らない道にあえて入ってみたり。奥まで古着屋がつながっていたり、気づかなかったお店を見つけたり。ネットが進化しすぎた分、あまり考えすぎずにふらふら歩いて見つける、というのがいいなと思います。冬の街を、自分のスタイルで歩いてみてほしいですね。

六本木ヒルズは
“日常として使える”街

六本木ヒルズには普段から来られますか?
M : 仕事で服を探しに来ることも多いですし、純粋に買い物に来ることもあります。若い世代向けのアイテムから、きちんとしたスーツ、オリジナルの強いブランドまで揃っていて、40代以上の男女にとっても現実的に“着られるもの”が見つかる場所だと感じています。セレクトショップも、店舗によって置いているものが違うので、六本木ヒルズの店舗では、スーツからカジュアル、オリジナルまで幅広く見られるのは面白いですね。
六本木ヒルズにはどのようなイメージをお持ちですか?
M : その日の目的によって、見え方が変わる街だなと思います。美術館で展示を観て、映画を観て、その合間に服を見たりお茶をしたり。日常の延長として、意外と“普段使い”できる場所なんですよね。待ち合わせにも使いやすいし、近隣に住んでいる人も多い。テレビ局も隣接しているので、撮影の合間にふらっと寄ることもできます。
六本木ヒルズの魅力はどんなところだと思いますか?
M : アート、映画、ファッション、飲食……いろいろなコンテンツが一箇所に集まっているところですね。自分の年齢が上がってきても、手が届かないような高価格帯だけではなく、オリジナルの強さと“リアリティのある価格感”のものが両方ある。そのバランスがいいと思います。雑貨も見られるし、六本木けやき坂通りに行けばラグジュアリーブランドもある。幅広いラインナップを、一日の中で横断できるのは六本木ヒルズならではだと感じています。
  • 表示されている価格は全て税込です。
  • 掲載情報は20251128日現在の情報となり、
    内容は予告なく変更になる場合がございます。
  • 価格表記のないアイテムについては、
    すべてスタイリストの私物となります。

三田 真一

1997年から熊谷隆志氏に師事。スタイリストとして独立後に渡英しロンドンを拠点に雑誌・広告を中心にヨーロッパで活動。2001年に帰国後は、ファッション誌や広告、ミュージックヴィジュアル、映画、TVなど多岐にわたるメディアで活躍。俳優やアーティストをはじめとする多くのセレブリティから厚い信頼を寄せられている。