2023年 
紡舞(つむまい)プロジェクト
2023年 
紡舞(つむまい)プロジェクト

「都市と人の成熟」をテーマに、身体を使ったコミュニケーションやメッセージの伝え方を振付家・ダンサーの森下真樹さんと考え、メンバーと共に身体を使って表現していく「紡舞プロジェクト」を実施しました。在宅勤務などオンラインでの言葉を使ったコミュニケーションが増えたコロナ禍を経て、徐々にリアルな場での人と人との出会い、人と街との関わりの再開が進んでいるいま、対面による本来のコミュニケーションのあり方にもう一度目を向け、言葉だけではできない身体を使った非言語での表現を見つめ直してきた企画でした。

Photo1,4,5,9:Furukawa Yuya  
Photo2,3,6,7,8:Tayama Tatsuyuki
アーカイブ映像
紡舞プロジェクト

ー「紡舞プロジェクト~身体を使って想いを伝える」ー

PLAY
【プロジェクトの活動詳細】

3年ぶりにリアルな活動としてスタートした紡舞プロジェクトは、「都市と人の成熟」をテーマに身体を使ったコミュニケーションを振付師・ダンサーの森下真樹さんと共に考え、作品にしていくプロジェクトとなりました。オンライン上のコミュケーションが日常化したコロナ禍を経て、徐々にリアルな場での出会いや、“街”との関わりが再開していた時期、対面でのコミュニケーションのあり方に今一度目を向け、言葉ではできない身体を使った表現を行いました。老若男女、踊りなどの経験に関わらずエネルギーに満ちた人々が集い、音楽に身を委ねながら他者とつながることでいつもと違うコミュニケーションを会得し、それが大きなまとまりとなり表現へと昇華されました。

制作ノート
第1回活動
日時
2023年3月21日(火・祝)9:30〜12:00
内容・編成
森下真樹さんの渾身のダンスを鑑賞することから初日がスタートしました。今回は4回の活動後に六本木アートナイトで発表を行うというタイトなスケジュールだったこともあり、プロジェクト・ディレクターの菊池さんから森下さん宛に自分自身のことを知っていたいただく手立てとしてのラブレターを送ることを提案しました。後半はグループに分かれ相手の人を相互に感じて動いたり、身体を使って自己紹介するなど楽しみました。
第2回活動
日時
2023年4月29日 (土・祝) 9:30〜12:00
内容・編成
六本木アートナイト2023のプログラムの一環として六本木ヒルズアリーナにて紡舞プロジェクトの作品を発表する旨や、曲目について参加者の皆さんに伝えしました。
ラブレターに記載いただいた特技や希望から、歌うグループや踊るグループ、自由に表現するグループなどに分かれ、森下さんやアシスタントの指導のもと音楽やイメージを振付として表現し、少しずつ“踊り”に近い形が見えてきました。
覚えることも多かったため、いつしかそこかしこで動画の撮影が始まり、それを共有することで各々が自宅でも復習できるようにしました。
作品に使用した楽曲
・1曲目:「交響曲第九番」 作曲ベートーヴェン ・2曲目:「ピアノ・ソナタ第8番『「悲愴』」Op.13 第2楽章」作曲ベートーヴェン ・3曲目:「On the Sunny Side of the Street」作曲 ジミー・マクヒュー 作詞 ドロシー・フィールド
「交響曲第九番」のグループ分け
・超バリバリ組(音楽に合わせて勢いの良いダンスをする)
・バリバリ組(超バリバリよりも優しい動きでダンスをする)
・自由組(自由に表現)
・歌の組(ドイツ語で「第九」を歌う)
・桜の花びら組(桜の花びらを散らす動きをメインにしながらも自由に表現)
第3回活動
日時
2023年5月14日(日)9:30〜12:00
内容・編成
会場となる六本木ヒルズアリーナの下見をみんなで行いました。空間の大きさやそこから見えるもの、風や音など、地べたに寝そべりながらこの場所を身体で感じることを試みました。そして音楽と共に全体の動きの見え方や場所の使い方などを検証しました。
オープンデー
日時
2023年5月20日(日)10:00〜16:00
内容・編成
当初は予定していなかった自由参加の活動としてオープンデーを設けました。今までの活動の中で生まれた個性溢れる表現を森下さんが絶妙に既存作品の振付の中に埋め込み、徐々に作品全体の輪郭がはっきりしてきました。そして全員の動きやカーテンコールなど、大勢の方に観ていただくことを意識した内容の練習も盛り込まれていきました。
第4回活動
日時
2023年5月21日(日)9:30〜16:00
内容・編成
全体での確認や、各グループに分かれた練習のほか、全員でオリジナルの衣装づくりを行いました。一列に並ぶと衣装がつながって見えるように絵の具を用いて白いシャツにデザインを施しました。
オープンデー
日時
2023年5月26日(金)13:00~15:00
内容・編成
六本木アートナイト2023の準備が真っ最中の六本木ヒルズアリーナにて、リハーサルを行うことができました。音楽やタイミング、位置決めなど、技術面での確認を入念に行い2日後の本番に備えました。
オープンデー(自主練習)
日時
2023年5月27日(土)13:00〜17:00
内容・編成
各グループで確認作業を行ったあと、六本木アートナイト2023のオープニングイベントに参加
第5回活動:六本木アートナイト2023本番
日時
2023年5月28日(日)13:15~
内容・編成
会場は大入り満員、皆さん緊張の面持ちで始まりましたが、終始観客の方のあたたかい空気に包まれながら、最終的には全員がとても楽しみながら表現ができました。40人が真剣に表現をして会場にもたらしたエネルギーは、観ている方にストレートに伝わり感動を呼んだものと願っています。
第6回活動:プロジェクトのレビュー
日時
2023年6月4日(日)10:00〜11:30
内容・編成
3月からの活動をみんなで振り返り、最後にお返しの形として参加者から森下さんとアシスタントのダンサー3人へお礼のラブレターを渡し、名残惜しさと共にプロジェクトを終えました。

参加アーティスト
森下真樹
もりした・まき/振付家 ダンサー

幼少期に転校先の友達づくりで開発した遊びがダンスのルーツ。これまでに10か国30都市以上で作品を上演、ジャンルを横断したコラボで活動の場を広げる。現在、自身のソロ「ベートーヴェン 交響曲第5番『運命』全楽章を踊る」(振付:MIKIKO、森山未來、石川直樹、笠井叡)や自身が主宰するカンパニー森下スタンドによる「踊れ、第九!」を展開。100人100様をモットーにワークショップや作品づくりを行う。周囲を一気に巻き込み、独特な「間」からくる予測不能、奇想天外ワールドが特徴。2014年第8回日本ダンスフォーラム賞を受賞。

アシスタント
酒井直之、中村駿、伊藤奨

© Copyright Mori Building Co., Ltd. 2024 All Rights Reserved..